Solution is nothing

柔らかな頬 下 (文春文庫)

柔らかな頬 下 (文春文庫)



解決なんてしなくていい。
その形が一番自然だから。


勿論、この小説には一つの解決が示されていて、
一先ずの終わりを告げている。
数々の夢や希望(主に悪夢)が散りばめられていて、
決して幸せになるわけじゃないけど、
理解することで前に進めるんだという安心感は与えてくれる。


でも、本当にそれだけだろうか。
ハッピーエンドやバッドエンドでは言い表せない、
圧倒的な虚無感と、虚脱感。



この小説を読み終えて、良かったのか悪かったのか、
結局の所わからないけども、
読むことの意味はとても大きかった。



それだけで、いい。